カナダ・BC州キャンプ / Sunshine Coast‐後半

朝、目が覚めると尋常ではなく潮がひいている。太陽の真下にさらされたテントは時間と共に暑さを増し、寝苦しくて目を覚ます事になる。今回のキャンプの目的のひとつは焚き火の中に直接入れてオープンサンドの調理が出来るアイテムを使う事だったのだが、各サイトには焚き火台がない為、焚き火台を持参しなくてはならないタイプだったので断念。
キャンプといえば焚き火というのが定番のお楽しみのはずなのだが、リップクリームが必要になるくらい感想している夏のカナダでは、各地で自然発生的に、そして一部は人為的な原因によって山火事が頻繁に発生している。7月は後半にもなればFire Banという「キャンプファイア禁止令」が発生され、これを違反すると非常に大きな罰を受ける事になる。それほど夏の焚き火の後始末やタバコのポイ捨てで起きる山火事の存在が多く、問題視されているのが北米の現状である。Fire Banが始まれば、公園内でのタバコも厳しい取締の対象になるのだから観光客も油断出来ない。
気持ちの良い夏の朝の朝食を美味しく頂き、近くのトレイルに行く事にする。
このキャンプ場があるエグモントの周辺は入り口の看板にもあったように、あの「有名な」Skookumchuck Rapidsの場所である。入口からは約30分から45分程でたどり着く4kmの程のトレイルを進み、湖を超えると突如として海が現れる。その先が、Skookumchuck Rapidsだ。
Skookumchuckとは、この地に先住しているチヌーク族の言葉で「Strong Water(強き水)」という意味だそうで、基本的に1日に2回、その現象を見る事が出来る。
「有名な」と言われてもカナダ人でも知らない人が多いくらいで、人が山程集まるような場所でもないのだが、自然現象の希少性としては世界でも類を見ない場所であり、、海流が潮の満ち引きで入江に入る海流とぶつかり天然の波を起こす稀有な場所でもある。その為、満月や新月等の時期に合わせるとサイズがXL級にふくれあがりその迫力はまさに一見の価値あり。
瀬戸内海の渦潮と同じような原理で海流や渦が一定時間帯に巻き起こるのだが、この波を利用してサーフィンやカヤックでのラフティングのような波乗りをし続ける事が出来る為、まさに「エクストリームスポーツ」を楽しむ、クレイジーな奴らが集まってくる。
時期によって潮の満ち引きは異なるのだが、引いている午前は大きく潮が引き間近で海流を見る事ができる。満ちている時はむき出しの岩場がなくなり最も安全な時である為、カヤッカー達が訪れ波乗りを楽しむゴールデンタイム。吸い込まれるように波の飲み込まれ、そして波に乗る。
海のない地域の人は川で似たような現象が起こる場所で波乗りを楽しんだり、それこそ人口の波乗り練習用の施設でサーフィン等を練習しているのだが、このサンシャインコーストの辺境の地では天然の海で海流が発生するのだ。

バンクーバーは大きなバンクーバー島という北海道と同じくらいはあろうかという島の内側にある入り江の為、カヤックやカヌー、SUP等に適した穏やかな海で波がない。その為、サーファーはバンクーバー島の外側まで波を求めてサーフィンをしにいくか、南下してアメリカのオレゴンやカリフォルニアに行く。そもそも海が冷たいので長時間波乗りを楽しめないという事もネックかもしれない。
スクークムチャックラピッドでサーフィンをやっているツワモノは見た事がないが、それをやる人はよっぽどの人なのだと思う。それにしても海外では自己責任の名のもとにメチャクチャな事をやっている人をよくみる事がある。例えば滝壺の上にスラックラインを張って、数十メートルの高さでスラックラインをやっている人。インスタグラムやYoutuberの為ゆえに危険な場所へ行き悲劇の末路をたどる人。セルフィーで亡くなる人が増加していると聞く。
登山でもスキーやスノボでもそうだが、そこに「誰かが行った後」や「行けそうな道」があるからと言って乏しい情報のまま、その「不確定な道」を試してはいけない。もしかしたら最高に楽しい秘密の場所への入り口かもしれないが、そこが末路への入り口である事もある。今回訪れたSkookumchuck Rapidsも、インスタ映えを目指して足を滑らせれば、そのまま渦に飲み込まれるに違いないと思うと生唾を飲む。
トレイルは比較的フラットで最後の1km程が少し岩っぽくなってくる為、サンダルではなくスニーカーは登山靴が好ましい。入り口にはカフェがあり、向かいにはFirst Nationと呼ばれる先住民の昔の暮らし等を展示した博物館がある。
その後、近くのRuby Lakeにある小さなビーチのDan Bosch Parkで一休み。赤ちゃんですらゆっくりできるような小さなビーチで砂浜が出来ているのがだ、レイク自体は巨大でジェットスキーやSUP、カヤックを楽しむ人達もちらほら。
海流がなく温まりやすい為、カナダ人は湖で泳ぐ事の方が多いのだが、それでも雪解け水と思われる水が流れついている湖の水は冷たいの一言だ。鳥肌を立てながら水につかり、日に当たり火照った体をクールダウンする。ローカルのカナダ人は小さな子供の頃から、この冷たい水に慣れきっているようで抵抗がないのだろう、ばしゃばしゃ楽しそうに泳ぐ。
せっかくのオーシャンフロントのキャンプ場も満喫したい為、早めにテントに戻り夕飯の準備、今日はVancover Island Brewingのライチセゾンで夏のビールを堪能。イルカやシャチが定住していると言われる世界でも珍しいエリアであるバンクーバー湾は、ホエールウォッチングにいかずとも運が良ければ移動中のフェリーから見る事も出来る。なんと何かが発見された時は場内アナウンスも流れる程親切で旅行客にも優しい。

当初の湖畔のキャンプ場からは大幅に予定は変わったが、数少ない海辺のキャンプ場であるWest's Resortは間違いなくお気に入りのキャンプ場だ。
翌日はもうひとつの気になっていたサンシャインコースト運営のキャンプ場、Katherine Lakeを下見に。事前情報どおりのこぢんまりとした湖にあるキャンプ場は予約可能なエリアと先に来た人から場所を取れる、First Come First Serve (FCFS)に分けられている。
手前の予約可能エリアは駐車場のような場所でグループキャンピング感がいなめないが、森の中の坂の上にある予約不可タイプのキャンプサイトは見晴らしもよく、とても可愛い立地だった。気になるのが子どもたちの楽園とかしている部分であり、どちらかというと小さなお子様連れのファミリー向けキャンプサイトで、穏やかで暖かい湖だからこそ安心して多くのファミリーが集う事が出来る。とにかく可愛くて一見の価値あるキャンプ場だ。


Sunshine Coastを縦に走る101号を走っていると度々、海沿いの街に出るのだが、Beach Accessと書かれたビーチへの道が山程あって、ひとつずつ見に行きたくなってしまう。しかし、海への道へ続くビーチは砂浜のビーチではないので、足元は気をつけて楽しまないといけない。その辺りが日本のようなアジアや南国リゾートとは大きく違うのだが、磯遊びや日焼けを楽しむのであれば十分だと思う。
Katherine Lakeのキャンプ場のあるGarden Bayエリアは相変わらず豪邸や可愛い家が並び、ゆっくりと寄り道をしながら帰っているとどうしても時間がかかってしまう。
サンシャインコーストからバンクーバー側の本土へ移動するBCフェリーは週末になると、帰宅ラッシュになり十分な余裕を持ってフェリー乗り場に到着しないと乗れない事は珍しくない。潔く、この日は最終の夜10時のフェリーに乗る事に決め、ゆっくりと観光をしながら夕飯を食べ帰路につく。
バンクーバーからフェリー乗り場までは約20分、そしてフェリー乗船時間は約40分。合計で約90分で到着する事が出来てしまう大自然に囲まれた海岸線、サンシャインコースト。その名の通り、太陽の日照時間が多く晴れが多い地域であると説明したいところなのだが、そもそも1年の半分以上が雨季であるバンクーバーなので、晴れが続くのは夏だけだ。しかし、夏のカナダ西海岸は台風などの心配もなく、晴れる率が高いのは間違いない。
この帰宅日から数日後、カナダ西海岸のBC州広域に渡って、山火事注意が発表されBC州にCampfire Banが発令される。キャンプファイアの時期は9月か10月までお預けというわけだ。毎年のようにBanが発令されるので、キャンプファイアが楽しめるのは6月から7月前半までと考えたほうが良さそうだ。
Ban=禁止、という「キャンプファイア禁止令」。これらは国立公園内での喫煙行為も含まれるので観光客は注意が必要だ。どうやら今回のキャンプは最後のキャンプファイアのチャンスだった。やっぱり買うか、、焚き火台。。より焚き火台への執着が湧いてしまう。汗

【カナダBC州・エグモント / Skookumchuck Rapidsトレイル】
国: カナダ
都市: エグモント(サンシャインコースト)
立地: サンシャインコースト側フェリー乗り場Langdaleから車で約90分
キャンプサイト名:West's Resort
所要時間: トレイル入口から約30分〜40分
難易度: 初級〜 (自転車は不可、Onewheelが調子良さそう)
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